Agentic AIによる実践的ペネトレーションテスト自動化
DAY 1
11:40-
12:20
既存のLLMベースのペネトレーションテスト研究は、自律的な思考と行動を組み合わせたマルチエージェントシステムの設計により、一定の成果を挙げています。しかし、多くは仮想ラボ環境での検証に留まり、実務環境への適用や、偵察からレポート生成までの全フェーズ自動化に関する定量的な評価は十分とは言えません。
本研究は、偵察・脆弱性分析・エクスプロイト・レポート生成までを含めた実務レベルのペネトレーションテスト自動化の実現を目的としています。昨年度実施した明治大学高木研究室との共同研究(arXiv:2502.15506v1)で得られた知見をベースに、モダンなAgentic AIによるマルチエージェントシステムを構築しました。評価系には、現場経験の豊富なペネトレーションテスターと連携し、実務に即した環境を用意しました。
本講演では、AIによるペネトレーションテスト自動化の最新動向と、具体的な導入効果を提示します。まず、LLMが登場した2023年以降の研究の流れを概説し、メインパートでは、構築したシステムを従来型のツールや人手による診断と比較した性能評価を報告します。評価にはHackTheBoxに加え実務を模した環境を用い、再現性・カバレッジ・効率化の度合いを定量的に比較します。また、ローカルLLMによる自動化の可能性にも触れます。
この講演を通じて、参加者はAIエージェント導入の効果と課題を深く理解し、自社のセキュリティ診断に応用するための具体的な指針を得られるでしょう。
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Location :
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Track 1(HALL B)
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Category :
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Technical
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Speakers
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Hiroaki Toyota
豊⽥ 宏明
豊田宏明は株式会社ラック AI技術部に所属し、サイバーセキュリティ領域におけるAI自動化およびAIシステムの安全性確保のための研究開発に従事しています。以前はAIスタートアップにおいて機械学習・深層学習アルゴリズムの研究開発に携わり、AIの仕組みに関する豊富な知見を有しています。CTFやコミュニティイベントにも積極的に参加し、実践的なセキュリティスキルを磨いています。