
パトリック・オキーフ- Patrick O’Keeffe -
パトリック・オキーフはドイツの海軍士官であり、Operations in Confined and Shallow Waters Centre of Excellence for Operations(COE CSW -「限定浅海域における活動の中核的研究拠点」)にてNATO法律顧問を務めている。彼は宇宙力学及び衛星運用を専門とする航空宇宙技術者および航空兵でもあった。彼は学際的な環境から、破壊的技術がNATOの戦略的事業転換にもたらす影響に取り組んでいる。彼はまたAMC Solutionsの専務取締役として、航空宇宙、海事、サイバー戦略および政策に関してNGO、GO、IGOおよび企業の助言を行っている。
基調講演:サイバースペースにおける国家主権
サイバー空間において、脅威は絶えず生まれ続ける。情報通信技術(ICT)の急速な発展は、その意図に反して世界中にセキュリティポリシーの隔たりを生んでいる。また、情報技術のもたらす利益と、それらの脆弱性の保護に依存した現状はさまざまな分野、機関、国家レベルのプロジェクトにセキュリティ上の課題を突き付けている。
だが、今日に至るまでセキュリティに関する専門用語や戦略的考慮に関するグローバルな共通認識は作られていない。サイバーセキュリティ戦略の重要な目標はサイバー空間およびその外の世界において主権を守ることだ。陸や空、海、宇宙と違い、サイバー空間において国境は地理的または物理的な境界により定義することができない。そのため、包括的なサイバーセキュリティ戦略は多次元的かつ学際的なアプローチで主権の保護に向き合わなくてはならない。本講演では、クロスドメインな環境における国際的な課題について概観を説明する。