Program

/

CODE BLUE 2026

Time Table

スペクトラムが戦場となるとき:電波妨害下における都市IoTの防衛

DAY 2

16:40-17:20

スマートシティは、特に障害や混乱の発生時において、重要インフラの観測可能性(可視性)を維持するためにLoRaWANやLPWANによるテレメトリに依存している。しかし、紛争地域などの厳しい環境においては、無線レイヤーが電子戦(EW)によるジャミング(電波妨害)に直面してパケットの不達を引き起こす一方で、単に「再送信を繰り返すだけ」のナイーブな対策はバッテリーと通信帯域(エアタイム)を枯渇させる結果に終わる。 戦時下で電子戦の干渉に直面した市営LoRaWANネットワークの最前線における運用経験に基づき、本講演では、スペクトラムアナライザなどの測定機器を必要としない軽量な運用モデルを提示する。受信時のSINR(信号対干渉雑音比)に着目し、一般的なゲートウェイやネットワークサーバーが収集するテレメトリ(RSSI/SNR、CRCエラーのバースト、チャンネルごとの損失、ゲートウェイの多様性)のみからジャミングの可能性を検知・分類する方法を解説する。さらに、ブロードバンド(広帯域)、ナローバンド(狭帯域)、およびスウィープ型の「フィンガープリント(特徴)」を識別し、それぞれに適した緩和策のパッケージを適用する手法を示す。 最後に、堅牢性と通信容量のトレードオフを整理し、なぜ「あらゆる場所で最大の堅牢性を目指す」よりも、「部分的な要塞化」とサービスレイヤーにおける「縮退モード(デグレードモード)」の組み合わせが優れているのかを説明する。なお、本講演は特定のベンダーに依存しない立場(ベンダーニュートラル)で構成されており、機微なパラメータは一般化されている。

  • Location :

    • Track 1(HALL B)

  • Category :

    • General

  • Share :

Speakers

  • パブロ・チェルニコフ の写真

    Pavlo Chernikov

    パブロ・チェルニコフ

    パブロ・チェルニコフは、2021年から2024年にかけて、キーウ市政府のサイバーセキュリティ、ネットワーク運用、デジタルサービスの継続性を担う市営企業の責任者を務めました。市全域を対象とするSOC/SIEMや、1,800以上の施設を結ぶ市営LoRaWAN IoTネットワークなどの運用を統括し、戦時下におけるサイバー攻撃や物理的な攻撃が続く中でも、これらのシステムの運用を維持してきました。

    都市のサイバーレジリエンスを専門とする研究者でもあり、査読付き論文を発表しています。主な研究テーマは、都市規模のSIEMにおけるイベント相関分析、電子戦による電波干渉下でのLoRaWANの耐障害性、武力攻撃が続く状況における自治体ITシステムの運用レジリエンスなどです。また、米国ナッシュビルで開催されるSecurityWeek主催の「ICS Cybersecurity Conference 2026」では、メインステージでの講演も行います。